本格オフロード車として販売されているジムニー。
オフロード性能が高いのは周知の事実であるが、果たして他の軽自動車と比較してどこのスペックや加速性能がどう違うのかを詳しく知っている人は少ない。
本記事では、オフロード車・町乗り車としての観点からジムニーの加速性能とスペックの詳細を他車種との比較によって明確にする。
Contents
ジムニーのスペックについて
ジムニーのスペック表
・新型エンジン
旧型ジムニーに搭載されていたK6Aのエンジンから、R06Aに変更されている。R06A型は、スズキの軽自動車に標準搭載されているエンジンである。自然吸気仕様もラインアップするが、ジムニーが積んでいるのはターボ仕様のみである。
・旧型のエンジンとの比較
インタークーラー(エンジンの冷却機構)をフロントグリル部分にレイアウトすることで、風を受けやすく高い冷却性能を誇る。また、従来のものより軽量化・サイズダウンを行なっている。
・フレーム
初代ジムニーが販売されて以降継承されているラダーフレームを使用。前回のフレームより補強を増やして、より過酷な環境下でも走行可能な強度になっている。
本格オフロード車と言われている車には多く搭載されているフレームである。重量が重くなるが、車体の剛性を高め、十分なアプローチアングルを確保する事ができる。乗用車に一般的に使用されるフレームはモノコックフレームと言われる。
※ラダーフレームとは、
2本の頑丈な鋼のフレームをハシゴ状において、上にボディを置くフレーム。
※モノコックフレームとは、
フレームとボディを一体構造として、ボディ全体で衝撃を受け止める構造である。
・FRレイアウト
エンジンをフロントタイヤ前端よりも後方に配置。険しい凸凹を越えるために必要なアプローチアングルを確保している。
※アプローチアングル
フロントバンパーとタイヤをつないだ直線と地面との角度のことをいう。この角度が大きければ大きいほど急な坂を乗り換えることができる。同様にリアバンパーとタイヤをつないだ直線と地面との角度の事をデパーチャーアングルという。
・機械式副変速機
路面状況に対応して、4WDと2WDを切り替える事のできる機構。以下の三種類の駆動方式に変更する事ができる。
1.2 H(FR)
後輪が回転して、自動車を動かす。市街地などの舗装された道で使用するモードである。フルタイムの4WD車だと、常に四輪が回転している為燃費が悪くなる。
そこで、パートタイム4WDにする事でオフロード車としての強さと燃費の向上に貢献している。
2.4H(4WD高速)
雪道、荒地などでの使用。2Hのまま雪道を走行すると、後輪が滑って前進はおろかカーブを走行する事が危険になる。そこで、雪道にあった4Hで走行する。
3.4L(4WD低速)
ぬかるんだ道や急な下り坂を走行するときに使用する。また、スタックした一般車両を救助するときにも使用する。先述の道では、低速回転・高トルクで走行する事で安定した性能を引き出す事ができる(高回転になると空転する)。
まとめ
・現行ジムニーは、エンジン、フレームは旧式の機構を改良されている。
・一般的な軽自動車と同様のエンジンを搭載しているのは少し寂しい。
・オフロード車としては、他車にはないこだわりを持って高い走行性能を誇る。
ジムニーのスペックをライバル車種と比較
ライバル車種と加速性能を比較
新型ジムニーのエンジンスペック
・最大出力:64 ps(47k W)/6000 rpm
・最大トルク:94 kg・m(9.6 N・m)/3500 rpm
・圧縮比:9.1
ハスラーのエンジンスペック
・最大出力:64 ps(47k W)/6000 rpm
・最大トルク:95 kg・m(9.7 N・m)/3500 rpm
・圧縮比:9.1
同スズキが販売しているジムニーとハスラーだがエンジンスペックとしてはどちらも変わらない数値である。どちらも、R06A型のエンジンを搭載しているので当然の事である。
ジムニーは、ターボ搭載モデルが標準である。同様に、ハスラーにもターボモデルが存在するが、加速性としては、車重やボディ形状を考慮するとハスラーに軍配が上がる。
また、ハスラーには、発進時の加速をサポートするモーターが搭載されている。ターボの弱点である発進時の加速を、モーターで補助する事によって、燃費の向上を図っている。
他ライバル車種と比較して不自由に感じるほどの違いはないが、加速性能で勝つ事は難しい。
ジムニーの加速性能の評価
ジムニーの口コミやレビューを見ていると、加速が遅いという声がよく上がっている。なぜなら、オフロード向けの味付けをしてある車であって、高速性能を必要として作られた車ではないからである。
だが、今までの車と比較しても決して走行に支障をきたすほどの加速性能の悪さではない。ターボモデルは、発進時の加速が悪いのは仕方がない事である。ある程度の速さになれば、スズキのターボ付きR06A型エンジンの本来の力を発揮して十分な加速性能を発揮してくれる。
他の軽自動車とは異なるラダーフレームを搭載したジムニー。一般にラダーフレームは、モノコックフレームよりも車重が重たくなるとされている。
本の鋼のはしごを通して、その上に荷室を置いたラダーフレームと、ボディ全体で車体を支えるモノコックフレームとでは、前者が重くなるのは当然の事である。
ボディの頑丈さを得て、軽量化を捨てたジムニーであるが故に、加速が遅いという声が上がるのだろう。
個人的には、軽自動車で高速道路を走行するのはどのみち辛いので、加速が悪くても、ボディ剛性と悪路の走破性能が高い方がいいのではないかと思う。
だが旧型よりは、エンジン性能が向上して加速性能が上がっている。技術の進歩とスズキの軽自動車に多く搭載されるR06A型のエンジンの熟成度の高さである。
新型ジムニーのエンジンスペック
・最大出力:64 ps(47 kW)/6000 rpm
・最大トルク:9.8 kg・m(96 N・m)/3500 rpm
・圧縮比:9.1
三代目ジムニーのエンジンスペック
・最大出力:64 ps(47 kW)/6500 rpm
・最大トルク:10.5 kg・m(103 N・m)/3500 rpm
・圧縮比:8.4
となっており、旧型より最高出力が上がり、最大トルクが落ちている。圧縮比も向上しており、数字だけではわからない性能の向上が図られている事がうかがえる。
加速性能には、賛否両論あるジムニーだがオフロード車としては十分なスペックであり、一般道路を走行する上では、困らない加速である。
ジムニーの乗り心地はどう?
先代のジムニーの乗り心地といえば、
・乗り心地が悪い
・タイヤ等の騒音が大きい
・サスが硬い
そのような評価を良く聞く。新型ジムニーはどうなのだろうか?スズキのHPによると、フレームとボディ間のブッシュ(ゴム製の衝撃緩衝の役割を担っている部品)を大型化して、衝撃吸収ならびに騒音防止に努めている。
実際に試乗レビューを見ると
・先代と比較して、音が気にならない。
・気にならないほどのバタバタ感
など、比較的高評価である。
先述にある通り、一般的な自動車と異なる剛性の高いフレームを搭載したジムニーの乗り心地を大きく改善する事はとても難しい。
だが、サスペンションを工夫したり、内装に防音材を多く取り入れるなどして、静粛性の向上にはメーカーが努力している。
今までのジムニーと異なり、気にならないほどの騒音や乗り心地の悪さとなり市街地を走る分にも、不自由のない自動車になった。
まとめ
従来のジムニーと比較して、他者と一線を画す走行性能になった。加速性能は格段にいいというわけでは無いが、それをカバーするボディ性能とバンパー等の外装の設計で多くの人から支持を受ける車となった。
ジムニーの値引きは、下記のサイトで詳しく知ることができますので、参考にしてみてください。
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