ランドクルーザープラドは、国産車の中では最も長期間乗れる乗用車の1つだと言えるでしょう。
それは、単に耐久性が優れているというだけではなく、古くなっても人気が高いとも言えるでしょう。
そこで、今回歴代ランドクルーザープラドの特長とそれを維持するために重要なファクターである燃費について調べてみました。
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歴代ランドクルーザープラドの変遷
ランドクルーザープラドの比較をする前にその登場から歴史を振り返ってみたいと思います。
何故なら、プラドの歴史を知らずしてプラドの価値が理解できないからです。
要するに、プラドは昨今人気のSUVとは一線を画し、本格オフロード4WDの系譜を引き継ぐ世界中で一目を置かれる存在なのです。
ランドクルーザープラドの誕生
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ランドクルーザープラドのルーツは1985年に遡ります。
それまで、軍用ジープを起源とするヘビーデューティ4WDのランドクルーザーの派生類別として追加されたのがランドクルーザー70ワゴンでしたが、この70ワゴンは、ショートボディのみの設定でした。
その70ワゴンが、1990年のバブル絶頂期に新たなユーザー層の獲得をするため豪華さと快適性兼ね備えたワゴン専用モデルとして独立しペットネームを与えられたのが初代ランドクルーザープラドです。
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ちなみにトヨタ自動車によると「プラド」はポルトガル語で「平原」という意味だそうです。
しかし、プラドの誕生は決して順風満帆というものではありませんでした。
プラドが誕生したバブル絶頂期、日本国内でニューファミリーと言われる層にアウトドアブームが巻き起こっていました。
そのブームにうまく乗っていたのが、ランドクルーザープラドのライバルであった三菱パジェロで、プラドは、誕生からライバルの後塵を拝することになったのです。
ライバルを意識し誕生した2代目
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2代目90ランドクルーザープラドは、ライバルの三菱パジェロからシェアを奪い取るべく開発が進められ1996年に登場しました。
この90プラドは、外観デザインから仕様の構成まで徹底的にパジェロを意識したラインアップで登場し、その後のテコ入れもありついにパジェロからシェアを奪うことができたものの、既にブームは去り、このカテゴリーのマーケットは小さくなっていたのです。
ヨーロッパ市場にシフトした3代目
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3代目120ランドクルーザープラドは、2002年に発売されました。
このモデルは下火になりつつあった国内市場に見切りをつけ主戦場をヨーロッパに据え徹底的にヨーロッパ市場に合わせた仕様となりました。
しかし、国内ではディーゼルエンジンのPM問題で、都市部の規制地域では販売できず、ガソリンモデルをメインに据えましたが販売は苦戦し、120プラドは、歴代プラドで最も不人気モデルとなってしまいました。
先進技術をまとった新世代クロカンの4代目
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現行型となる4代目150ランドクルーザープラドは、2009年にフルモデルチェンジされたモデルで登場から10年になりますが、現在でも多くのファンを魅了しています。
150プラドの特長は、圧倒的な存在感に加え妥協を許さないオフロードの走破性と言えるでしょう。
それを支えるのが、ランドクルーザー誕生以来培ってきた先進技術です。
トヨタ自動車はこの150プラドを「いつでもどこへでも行ける安心感と快適性」を備えたクルマだといいます。
なお、150プラドには2ドアのショートボディは設定されていません。
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この150プラドは、その後2013年と2017年に2度のビッグマイナーチェンジが施され、2015年には一時廃止されていたディーゼルモデルが厳しい環境基準をクリアさせて復活し、現在ではラインナップのメイン車種となっています。
歴代ランドクルーザープラドの型式ごとの年式
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ランドクルーザープラドの年式を、初代70系より現在までの年式およびその進化の過程をまとめます。
初代70系(J71G,J78G,J71W,J78W)
1990年式~1996年式
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2代目90系(J90W,J95W)
1996年式~2000年式
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3代目120系(J120W,J121W,J125W)
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4代目150系(J150W,J151W)
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歴代ランドクルーザープラドの特徴と人気
本格クロカンをルーツとするとするランドクルーザープラドは、4世代のモデルが存在しますが、今でも全ての世代で高い人気を誇っています。
初代70系は、四角いボディと観音開きのバックドア
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今でもシリーズ中最も人気があると言えるのは初代70系です。
その特徴は、ヘビーデューティシリーズから引き継がれた四角いボディと使い勝手の良い観音開きのバックドアです。
そして、4ドアと2ドアに加えて、5ナンバーの標準ボディと3ナンバーのワイドボディ2種類がラインナップされている点も特徴です。
ワイドボディは、迫力あるオーバーフェンダーが装着されていて、室内の寸法は変わりません。
2代目90系は、2代目パジェロに似ている?
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(当時の)パジェロによく似ていると言われることもある2代目ですが、それも当然で当時爆発的な人気を博していた2代目パジェロのシェアを奪うべくなりふり構わない作戦に出たのが2代目90系ランクルプラドだったのです。
一部では、パジェロをパクった陰口を叩かれる程、エクステリアデザイン、カラーラインナップ、エンジンラインナップ、車種構成、装備品までそっくりでした。
しかし、大ブームであったパジェロ人気も自然に縮小していくこととなり結果的には、パジェロを逆転することができたこともあり、20年経つ今でも人気がありますが、パジェロに寄ったデザインがあだになっっているのか、70プラドの方が人気が高くなっているようです。
そのせいか、90プラドはパジェロに似せた2トーンカラーより、ランクルらしいモノトーン色が人気が高いようです。
3代目120系は、ヨーロッパを意識した洗練されたデザイン
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120系プラドは、クロカン4WDマーケットが縮小した日本市場を捨て初めてヨーロッパ市場に照準を合わせて開発されたモデルで、そのためボディは大型化され兄貴分のランクル100に迫る迫力です。
実際、ヨーロッパ諸国では「ランドクルーザー」の名前で発売されていたのです。
また、ディーゼルエンジンに逆風が吹いてきたためガソリンエンジン車が中心になっています。
しかし、国内販売は振るわず販売台数も低迷しました。そのため中古車もタマ数が少ない上に、中古車価格は初代、2代目に較べて低価格になっていますが、それでも本格クロカンの血筋であることから、同年式の乗用車系に較べると高価格で取引されているようです。
4代目150系は、先進技術を取り入れた現代クロカン4WDの完成形?
【2009年式150系】
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外観:ヘッドランプとグリルが繋がっていない
【2013年式150系】
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外観:ヘッドランプがつり目で細目、グリルと繋がっている、LEDのDRL(常時点灯ランプ)が縦向き
【2017年式150系】
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外観:LEDのDRLが横向きでヘッドライトの下に付く
この150系プラドは、先に発売された兄貴分の200系ランドクルーザーのイメージを取り込んでいると言えるでしょう。
150系は、ショートボディを廃止しシンプルな構成でラインナップを絞り込むことにより、ターゲット層をより明確にしたモデルといえるでしょう。
装備面では、走行に必要な機能を標準装備とし、どの類別を選んでもランドクルーザープラドのオーナーとして誇らしく思うことができるでしょう。
150系は発売から現在までに2回のマイナーチェンジが行われましたが、ヘッドランプ周りやリヤコンビランプがそれぞれ特徴があるので見分けることは簡単です。
この150系は、中古車市場でもとても人気が高く低年式の車両でも値崩れしていません。
ランドクルーザープラドの中古車価格
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ランドクルーザープラドの中古車価格は、年式や走行距離によらずかなり高い取引価格で販売されています。
これは、国産クロカン4WDは海外でも大人気で国内の中古車市場は、特に売りやすいモデルに限定して中古車販売会社が在庫しているため、人気色のホワイトやブラック以外は海外に流出しているようです。
以上を踏まえた得する中古車の選び方ですが、中古車で長く乗りたい場合、現行型の上級類別(TZ-Gやフルオプションの TX Lパッケージ等)が新車に較べてかなり安く手に入れることが出来るので狙い目でしょう。
前モデルの120系は不人気車種となっており、タマ数が非常に少なくなっていますが稀に非常に安い価格で流通する場合があるので、120系を狙う場合は、じっくりと時間を掛けて安いものを探すとお買い得な場合があります。
90系は、少し古さを感じられますが120系より取引価格が高くなっているという逆転現象が生じています、しかし、ディーゼル車の場合は規制により車検が通らないケースがありますので、ディーゼル規制の地域にお住まいの方はその排ガス規制のコストも考える必要があります。
また、初代70系は非常に人気が高く高値で販売されていますが、やはりディーゼル規制の問題がありますので、購入をお考えの場合はまず専門店に相談されることをおすすめします。
歴代ランドクルーザープラドの燃費
歴代ランドクルーザープラドの燃費は、WEB上のユーザーレポート等を総合すると概ね以下のとおりとなりました。
但し、燃費は運転の仕方や道路環境で大きく左右されるものなので参考程度としてお考えください。
ランクルプラドの維持費
前述しましたとおり、ランクルプラドの燃費は正直とても良いとは言い難もので、ガソリンにしてもディーゼルにしてもそれなりの負担を覚悟する必要があります。
その他にも、維持費として税金(自動車税および自動車重量税)は、13年を超えると増税対象となります。
さらに、消耗品としてのタイヤも大きいサイズのもので、インチアップすると数万キロ毎に20万円オーバーの出費も覚悟しなければいけません。
保険代(ゴールド免許でも年間8~10万円)や点検整備費も車検時に20万円オーバーも、そして走行距離の多い車両となると上記以外にも新車では必要なかった消耗品も数々ありその都度に数万円~十数万円かかると考えておく必要があります。
結論から言いますと、乗用車から乗換えた場合かなり負担増とも言えます。但し、昔から手間がかかる子供程から可愛いといいますが、手間をかけながらクルマを維持していくことが楽しいと考えられる人におすすめのくるまなのです。
ランクルプラドは、乗用車ではありますが趣味のクルマとの割り切りが必要ではないでしょうか?
維持費などでより詳しく知りたい人は、ランクルプラドの維持費や評価は?値引き方法で安くする方法をご紹介!が参考になるので御覧ください。
アイキャッチ画像引用:https://toyota.jp/pages/contents/landcruiserprado/004_p_009/image/top/carlineup_landcruiserprado_top_pic_04_01_pc.jpg